SSブログ

人格心理学 #ouj #放送大学 [放送大学]

放送大学、共通科目、大山泰宏「人格心理学」10章まで受講。これまでの授業で、初めて「ナラティヴ」という概念と、懐かしい言語哲学者オースチンの名前を聞いた。後者に関しては、昔の分析哲学に関連して記憶が想起される人も多いかもしれない。分析哲学は、何かの学問、特に文系のものの科学性を問うときの基礎として必要とされたりする。言語行為という概念は、オースチンによって整理されたが、彼は、自身で著書を著すことなく、なくなってしまったので、論文集が後年出ている。私は、まだ、それらを読んでいないが、日常言語学派に入れられるように、日常言語の曖昧性などから言語と行為の結びつきについて、ひとつの見解を示しているようだ。今は、この哲学の研究も、例えば、認識論や構造論のように細分化されて論じられているようだ。一般向けの書物も、なかなか見つからない。今のような景気の停滞した時代では、ローティが二つの哲学の橋渡しを試みたような状況にないのかもしれない。その証左と言う訳ではないけれど、この講義では、ハイデッガーの名前が違和感なく登場する。

この「人格心理学」は、臨床心理学からのアプローチを試みながら、背景には、西洋の哲学や思想が潜んでいるように感じられる。

それ故に、学説の紹介も論理的整合性が在るため、著書の解釈があるにせよ、分かりやすいものになっているようだ。

例えば、フロイトのエディプスコンプレックスも、ラカンによる解釈を採用することにより、その本質を言語の問題へと収斂させ、ナラティヴへの伏線になっているし、心理療法の説明も、言語と密接に関係する時代精神というか、文化の変化の問題に繋がった説明になっている。

様々なテーマを紹介しつつ、物あるいは事の見方をこの講義を通じて述べているのだとも言えよう。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

今回の風邪について風邪が治った ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。