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秋の日や成績届く放大の・・・なかなか立派なものですが、毎回入学金がかかるのを #ouj #放送大学 [放送大学]

hoso-seiseki.jpg放送大学から届いた成績表

「生涯学習と自己実現」は、かろうじて合格かと思われましたが、意外にもBがついていました。この科目('06)は、「生涯学習とは何か」について考えるのに有用ではありましたが、あえて単位を取らなくてもよかったかなあと言う感じはあります。

その理由は、とりあえず「臨床心理学」の科目群履修認証制度を目指している場合、認定単位に勘定されないことと、若干内容が古くなっていることです。たとえば、「アヴェロンの野生児」などの一連の「野生児研究」に関して、最近、研究が進みつつある発達心理学やあるいは精神医学の立場から、自閉症ないし知的障害が疑われるという指摘もある上に、研究対象として「野生児」を取り上げること自体が、人権配慮的でないという疑問もあがっています。cf.「オオカミ少女はいなかった」, 鈴木光太郎, 新曜社(2008)、「アヴェロンの野生児―禁じられた実験」ロジャー・シャタック (著), 生月 雅子 (翻訳) 家政教育社、1982年.

この野生児の問題もさることながら、今問題とすべきは、老後にお金の余裕もあり放大へも入学できる高齢者と、少子化故に全入出来てしまう大学にすら通えない貧困層が、世代間格差を容認する諸制度により増えており、これが、将来どうなるのかといったところへの言及が十分になされていないように思われます。

このような大きな格差は、憲法に保障された基本的人権を不作為でもって侵害するものであり、侵害されたものは、何もされなかったので認識できないという事態も生じさせかねません。

いくら放大が、中高年の割合が多いからというわけでもないでしょうが、高齢者への学習支援も必要ながら、、基礎教育が重要であって、 それが、親の年収との相関関係を立証する論文もでてきている現在において、内容的には検討されるべき課題があるだろうと私は考えます。

また、もうひとつ疑問に思ったのは、大場登先生の「精神分析とユング心理学」を学んでいたからなのでしょうが、「自己実現」という現象あるいは考え方をみても、たとえば、エリクソンだとか、ユングだとか、マズローだとかの学説が併記されて、そこより自己実現の困難さなどを考えるように工夫はされているのですが、先生自身による体験的な知が十分に表現できているかというと、そうでもなく、百貨店の最上階にあった大食堂のメニューを見ているような感じがありました。これはこれで、楽しいのですが、京都の祇園や高台寺周辺にあるメニューは店の前に書かれているけれど値段が書かれていない店のような部分も見てみたかったように思います。

「生涯学習」論の矛盾は、「生涯学習論」だけでなく、自身が生涯学習で、どんな新しい発見を別の世界でしたのかといったことが語られないというところにあります。

今回、放送大学の一連の流れを体験してみて、やはり遠隔教育であるため、議論を先生にふっかけに行くようなことができないのがもどかしいところではあります。

大場登先生の「精神分析とユング心理学」は、奇跡的にAに○が付いていた。 ただ、こちらはかなり出費がかさんだ。間主観性理論とことば化という概念に興味を覚え、森さち子「かかわり合いの心理臨床」、誠信書房、2010年と、印刷教材でしばしば参照されている小此木啓吾「フロイト思想のキーワード」、講談社、2002年、および、ペルソナ論に興味を引かれ大場登「ユングの「ペルソナ」再考 心理療法学的接近」、創元社、2000年を買った。さらに、参考にしようと思い、山中康裕 編著「心理学対決!フロイトvsユング 史上最強カラ-図解」、ナツメ社、2010年を買ってみたが、 図解とかイラストとかが好きな人には楽しい本です。

それや、これやで、お金がかかったが、あと欲しかったのが、土居健郎「オモテとウラの・・・」という論文が収録されている本です。近年、ゲノムの解析が加速度的に進展して、チンパンジー、ゴリラやオランウータンは、サル族ではなく、ヒト族であることが分かったように、遺伝疾患とされていたものも、その違いというのが、わずかであることも解明される日も近いかもしれません。また、精神医学自体が、生物学的なものから、力動的なものへ変わり、また、新しいステージでの生物学的なものへシフトしつつあります。ただ、風邪を引いた後に、いたわりの言葉をかけてもらったり、今度は、風邪を引かないためにパジャマを着て寝るとかいった予防も考えなくてはならいでしょう。偏見や差別は、生物学的な、つまり、脳を中心とする生理現象との関わりで把握するようにするとともに、いたわりの気持ちは、様々なコトバやイメージで示していくのがよいのではないかと考えています。ただ、アプローチの仕方は、なかなか困難が予想され、果てのない道がイメージされます。 

科目群履修認証制度


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