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「生涯学習と自己実現」放送大学教材 [放送大学]

まず、本教材は、同名タイトルの2006年改訂版である。また、堀薫夫(ほり・しげお)先生のまえがきによると、麻生誠『生涯教育論』(旺文社,1982年)という本の紹介からはじめておられるように、ベースは、麻生誠先生がまとめられたものだそうである。
まえがきの4ページに、前掲書と麻生・堀『生涯発達と生涯学習』(1997年)と本書の目次を対比させ、いわゆる「生涯学習論」の変容がしめされている。
この内容の変化は、高齢化社会への移行現象とも重なっているところがあり興味深いが、私には、それほど関心が高くないので深入りはしない。

まえがきで述べられている要点は、次の3つの論点に集約される。

1.社会の変化を知ることも大事だが、普遍的な生涯学習の理念をも見ていかねばならない

2.深い内容をもった「自己実現」という視点に目を向けること

3.生涯学習論を多角的な観点から論じること

ただ、これからの学習に危惧されるのは、近代経済学が予定しているようなシンプルな前提や概念枠組がないことである。実際には、普遍性を認める立場からすると、なくはないのであろうが、いわゆる「科学哲学」のような基礎構造が構築されていないので、それぞれが答えのない問題に出くわすことになろうことである。

哲学者ローティーは、英米哲学が、科学哲学のみを正当なものとし、たとえば、サルトルやハイデッガーといった哲学的論考を顧みないことに危惧を抱いているが、これから3ヶ月ぐらいは、こういう価値観が多様な世界に向かい合う端緒になるのだろうと思う。
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